提案されたロゴマークのデザインを選ぶ
ロゴマークやロゴタイプ、エンブレムなどデザイナーから提案されたロゴのデザインは一体どのように選ぶべきでしょうか。ロゴ、特にロゴマークは視覚的に会社や商品、サービスのイメージを伝えるためのデザインなので、クオリティを重視したロゴマークの選出法はやはり大事ですが、その他にもいくつか気をつけなければならないポイントがあります。
気に入ったロゴデザインが提案されたなら、より使いやすくするための修正も必要になってきます。ただ、カッコいいから、素敵だからだけでロゴを決めてしまうと、あとで使用する際に困ったことになることもありますので、ロゴの選定は焦らず慎重に行いましょう。
提案されたロゴのデザインを選ぶ際に、注意すべき見落としがちな3つのポイント
1.ロゴのカタチ、本当にそれでいいの ?
ロゴのデザインを決めてしまったら、後から大幅な直しということはなかなか出来ません。特にコンペなどの場合は難しいと思われます。
ロゴを決める際にしっかり見ておくポイントの一つは、ロゴのカタチです。無難な円形や四角いカタチなどはさほど問題ではありませんが、オーダーでロゴのデザインを作成する場合で、特にロゴに特殊なモチーフを取り入れた際などは、モチーに沿った特殊なカタチのロゴデザインを提案される場合もあるかと思います。
一見、そのロゴは他と違い「目立つ」「インパクトがある」「珍しい」などの理由でそのようなデザインのロゴを選んでしまうこともあります。もちろんそれでいい場合も多々ありますが、そのロゴを何の媒体に使用するかを考えてください。
例えば縦長の看板と横長の看板の両方にロゴを使用した場合、ロゴマークのデザイン自体が縦長すぎたり、横長すぎたりすると収まりが悪い場合があります。特に店舗ロゴなどの場合は、看板で使用することが多いので、そのあたりは充分に検討する必要があります。クライアント側としてはどのような媒体やツールに使用するかを考えてロゴの形を判断するようにしましょう。提案されたロゴデザインが気に入っている場合などは、そのあたりを考えてデザインを修正してもらうということも必要になってきます。
ロゴの形を決める際には、ロゴを使用する媒体やツールのことを良く考えたうえで検討しましょう。
2.ロゴの色は大丈夫? ロゴを使用するときに背景が白だけとは限りません。
ロゴの形は決定したけれど、ロゴの色を決めるのに悩まれる方もかなりいらっしゃいます。
企業や開業などで新しくロゴを作成する場合、コーポレートカラーが決まっていることも多くはありません。色によって伝わる印象というのはかなりかわります。色の印象によって変わってしまうということは、ロゴの色選びは慎重に行わなくてはいけないということになります。会社やお店のイメージをビュジュアルとして伝えるロゴマークやロゴタイプの色というのはそれほど決めるのに難しいのです。
モチーフからロゴの色を決める
ロゴの色を決めるとき、モチーフなどからロゴのデザインを作成した場合はモチーフの色をロゴに使用するという方法もあります。例えば地球をモチーフにした場合は青系やグリーン系など、木をモチーフにした場合はグリーン系やブラウン系などがそれにあたります。
業種・業態からロゴの色を決める
クライアントの業種や業態をイメージさせるカラーというのもあります。例えば歯科クリニックなら清潔感を感じさせるブルー系のカラー、不動産関連なら、ブラウン、グリーン、グレーなど、ブライダル関連のロゴマークならピンク・赤系のカラーなどというように業種や業態をイメージさせる色からロゴのカラーを絞り込んでいくことも可能です。
ロゴマークの色を単色にするか複数色にするかを検討
基本的にはロゴマークやロゴタイプの色を単色(1色)でとお考えなら、ロゴのカラーは決めやすいと思います。しかし、ロゴに使用するカラーが複数色の場合、キレイだからといってそのロゴカラーで本当に様々なツールなどに使用できるのかということを考えてみてください。特にロゴマークはシンプルなデザインなら、グラデーションや複数色を使用してもスミ1色に変換することが容易ですが、複雑なデザインの場合、カラーからスミなどの単色に変換すると全くイメージの違うロゴデザインになってしまうということもあります。単色で使用することがないのならそれでも構いませんが、以外にもロゴを単色で使用するケースは多いことを知っておいてください。
複数色のロゴの場合、色の濃度に差がありすぎるのはあまりオススメできません。ロゴを使用する場合、背景を白バックで使用することは一番多いと思います。しかし、背景に薄い色を敷きたい、濃い色を敷きたいなどと考えた場合、一つのロゴデザインの中で色の濃度に差がありすぎると難しくなります。背景に薄い色を敷いた場合は、ロゴの薄い部分が見えにくくなり、濃い色を敷いた場合はロゴの濃い部分が見えにくくなります。背景に敷ける色が大きく限定されてしまいます。色付きの封筒などがそれにあたります。せっかくロゴを作成したのだからオリジナルの封筒をと考えても、封筒の紙の色は白にせざるを得なくなります。
いろいろな使い勝手を考えるなら、ロゴの色は単色(1色)が一番オススメ。色を複数使用する際は色の濃度に気をつけましょう。
3.ロゴを構成する個々のパーツ。例えば細い線や小さなカタチは縮小サイズにも対応できますか?
ロゴの全体的なカタチはお話しましたが、今回はロゴを構成する個々のパーツのこと。
例えばシンプルなロゴデザインであったとしても、細い線で構成されたデザインや、小さなパーツを使用しているロゴデザインはサイズを縮小した際にツールに対応できなくなる場合があります。例えば細い線を含んだロゴマーク、縮小した際に0.3ポイント未満の線幅では、印刷に反映できないということがありえますし、小さな点もより縮小されてしまえばゴミ粒に思われてしまいます。
ロゴデザインの中にあまりに細い線は使用されていないか、小さなカタチは含まれていないかなどロゴを構成する個々のパーツの部分もしっかりと見る必要があります。ただしロゴの「デザイン的」に縮小した時のこの点は見えなくてもいいというデザインも中にはあるでしょうから、その辺りはご自身の判断でご検討してください。