こんにちは、文鳥ロゴデザイナーのタケです。ロゴデザイナーになるためにはというテーマでブログを書いています。今回は、「ロゴデザイナーの必須ツール:Illustrator」が使えるようになれば、ロゴデザイナーになれるのかというお話です。
Illustratorを使えればロゴデザイナーになれるとは言えません。
確かにIllustratorを使えるようになればロゴのデザイン自体は作れます。
Illustratorを使えればロゴのデザインは作れはしますが・・。
通常ロゴのデザインはIllustratorを使えればロゴのデザインは作れはしますが・・。というadobeのグラフィックソフトで制作します。Illustratorができればロゴマークやロゴタイプ、シンボルマークなどのロゴ自体は作れます。基本、ほとんどの方がIllustratorでロゴを作成していると思います。
ただし、「使えるロゴ・マークを作れるか」という点では別です。
使えるロゴを作れるかというと、簡単には「はい」とは言い切れません。ただIllustratorが使えるだけでは、実際にクライアントが「使用できるロゴは作れない場合もある」ということです。
デザインができるだけではロゴデザイナーになれないのだろうか?
永いことロゴのデザイン制作に携わっていると、ロゴを制作する場合はデザインが出来るだけではダメだということを感じます。
人に提供するようなロゴのデザインをする場合にデザインの知識、印刷の知識、色の知識などの様々な知識はやはり必要です。それを理解した上でロゴを作成しないと見た目がよくても使えないロゴが誕生してしまう可能性が生じます。
ロゴを制作するデザイナーというとグラフィツクデザイナーがまずピンとくると思いますが私の場合は、ロゴ専門にデザインをしているのであえてロゴデザイナーと名乗っています。
クライアントからはロゴに関する様々な質問を受けることが多いのですが、デザインや印刷の知識や経験が無いと質問に対する的確な返事ができません。的確な返事を返せないということは、クライアントとの信頼関係を喪失しかねませんし、ロゴ制作の失敗にもつながってしまいます。
色々なツールに使用されるロゴ
ロゴマークやロゴタイプなどのロゴはその性質上、様々なツールや媒体に使用されることが予想できます。クライアントの業種によってもロゴを使用するツールや媒体は変わってきますので制作を始める前にクライアントがロゴをどのようなツールや媒体に使用するかということを必ず確認しておく必要があります。
ロゴを制作するデザイナーはそれらのツールがどのようにして作られるかということをあらかじめ認識しておく必要があります。そのためには色に関する知識や印刷の知識、そしてデザインに関する知識が無いとロゴ制作に失敗する可能性が出てきてしまいます。Illustratorというツールが使えるだけではダメだということです。
クライアントが印刷や色などデザインの事を理解しているとは限らない。
クライアントの中にはデザインや印刷に詳しいという方ももちろんいらっしゃいますが、全くわからないというクライアントの方がどちらかというと多いように思えます。広告関連の企業や広報担当の方ならそれなりの知識はあると考えられますが、自分のクライアントにも詳しい人はそれほどいませんでした。特に色に関してはWebカラーやRGBカラーで好みの色を指定してくる場合などがあるのでロゴを制作するデザイナーならこのことは頭に入れておく必要があります。
現在のロゴ制作の主流はネット経由です。ロゴ制作の専門サイトやコンペサイト、スキルサイトなどを利用して多くのクライアントがロゴを制作しています。ロゴ制作の敷居もかなり低くなり、一般企業から個人の方まで誰でも簡単に利用できる環境や金額が設定されています。
依頼する側が増えると必然的に制作サイドも増えてきます。実力や実績がなくてもロゴ制作への参加はできます。コンペサイトやスキルサイトなどではプロのデザイナー以外に学生や主婦、サラリーマンの副業としてロゴのコンペに参加されている方などもいるようです。ロゴのデザインを依頼するクライアントサイドは、デザインや印刷の知識がない方も多いため、価格の安さなどでデザイナーを決めてしまうことも多いと思います。
「ロゴを納品したらそこで終わり」というビジネススタイルがもたらす弊害
ネット主流の現在は、ロゴは納品してしまうとそこで終わりということが多いのではないでしょうか。クライアントは完成したロゴのデータを受け取って終わりということです。そして、受け取ったロゴを次の業者に託します。それはホームページの制作会社であったり、看板業者であったり、印刷物のデザインを依頼するデザイン事務所や印刷会社であったり・・・。
「いただいた、このロゴは使えません」
突然、業者さんから「このロゴでは制作できません」という事態になることが出てきます。例えば、グラデーションや色数がありすぎるためシルク印刷ができない。ロゴのデザインが細かすぎて活版印刷ができない。ロゴがRGBカラーでしか納品されていなかったため、オフセット印刷したら色が変わってしまった・・などロゴの仕上がりによっては様々な問題が発生します。
これらはロゴを制作する前の段階で、クライアントがどのようなツールに使用するかということをデザイナーに伝えておく必要があります。が、しかし、先にも述べたようにデザインや印刷のことを知らないクライアントも多いので伝えることもままなりません。そこでロゴを制作する側のデザイナーがどのようなツールや媒体に使用するかということを予め聞いておく必要があるのです。
クライアントがどのようなツールにロゴを使うのかを分かった上で制作しなければ失敗することもある。
グラフィックデザイナーとしての経験が豊富であれば印刷や色、デザインに関する知識は仕事の中で自然と身についていきます。ロゴを制作する場合でもある程度のことは予測して作ることも可能ですが、印刷や色、デザインに関する知識や経験があまりない方にロゴ制作を依頼してしまった場合、使用するツールのことを考えてロゴをデザインするというのは少し難しいのではないかと思ってしまいます。
印刷に使えないのなら、そのロゴ直してください。
ロゴが使えないとわかった場合、ロゴを制作したデザイナーに修正してもらう必要があります。ロゴには著作者人格権というものがあります。この権利は他人に譲渡できない権利です。従って通常は制作したデザイナーにロゴを直してもらいます。
コンペサイトやスキルサイトを利用してロゴを作った場合は少し注意が必要です。
コンペサイトやスキルサイトなど登録するのも退会するのも簡単なため、後でロゴを制作したデザイナーに連絡を取りたいと思っても既に退会していたということも起こり得ます。
連絡が取れないのでロゴを使えるように修正したいけど勝手に直していいのかとクライアントは迷ってしまうと思います。そのような事態を考慮して、ロゴを作ってもらったデザイナーやデザイン事務所
と、納品後は自由にロゴを手直ししてもいいというような契約をしておけば、いざ連絡が取れなかったとしても問題ありません。ただし、他のデザイナーに頼むにしても、デザイナーが引き受けるかは少し難しいかもしれませんが。
私のところにも、ロゴの部分修正は時々きます。そのすべては「会社名を変えるのでマーク部分を利用して作り直してもらいたい」とか「業務変更するのでロゴの色を変えたい」などで、使用できないというものではありません。ロゴデザイナーになると、このように数年後に追加の直しの依頼などもきます。ロゴデザイナーになるのであれば、そのような対応も必要になるという事です。
今回は、以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。